養育費の相場について弁護士が解説!

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養育費とは

養育費とは、離婚後に親が子供の生活費や教育費を支払うための費用です。

養育費は、子供の健全な成長を支えるために重要な役割を果たすので、養育費の支払いは、子供の生活水準を維持し、必要な医療費や教育費をカバーするために不可欠です。

養育費の目安や相場はいくらくらいかというご相談は非常に多いです。

養育費の額は、双方の話し合いで決めることができますが、話し合いで解決できない場合には、家庭裁判所で決めることができます。
その際、両親の収入、子供の年齢、生活環境などを基にして、家庭裁判所が提供する養育費算定表を目安に具体的な金額が算定されます。

養育費の相場(目安)

養育費の相場(目安)は、両親の収入や子供の年齢・人数により異なります。

例えば、義務者(養育費を支払う側)の年収が600万円、権利者(養育費を受け取る側)の年収が100万円で、15歳の子供1人を養育する場合、月額約8万円が目安となります。
また、義務者の年収が1000万円の場合は、同じ条件で月額約14万円が目安となります。

養育費の金額は、いくらぐらいが妥当なのでしょうか?

下記のページで裁判所が養育費の算定表を公表していますので、その目安を確認することができます。

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

養育費算定のポイント

養育費を算定する際には、以下のポイントが重要です。

収入

両親の収入を基に算定しますが、給与所得者と自営業者では算定基準が異なりますので、算定表を参照する場合には注意が必要です。

基にする収入は、通常、前年度の源泉徴収票や確定申告書を参考に決めることが多いのですが、既に前年度に比べて収入が大幅に増加・減少している等の事情がある場合には、直近の給与明細等から年収を推計して、その推計した収入を前提に決めることもあります。

また、働こうと思えば働ける状態にあるのに働かない場合には、収入を0とみるのではなく、働いていれば得られる見込みの収入を前提に決めることもあります。

子供の年齢

年齢によって必要な費用が異なります。算定表では、0歳~14歳と15歳以上で用いる表が異なります。

 

子供の人数

子供の人数によっても費用が異なり、用いる算定表が異なります。

上記の3項目をもとに、まずは算定表で、養育費の目安を確認することができます。

 

他方、算定表で考慮されていない事情について、別途上乗せして話し合うことになります。

例えば、算定表で考慮されている以上の医療費が定期的に発生している場合や私立の学校に通っている・大学に進学しているなど算定表で考慮されている以上の教育費がかかる場合には、その分の上乗せも考慮されます。
その他私立学校や大学進学のための塾代や習い事の費用についても上乗せをすることもあります。

その他、養育費を定める当時に予測できない不意の出費に備えるため、医療費や進学に関する費用については、別途協議する旨の条項を定めることで、将来の不意の出費に備えることを明確にすることができます。

養育費の決め方

養育費の決定方法には以下の方法があります。

話し合い

夫婦が話し合いの上、合意して決定します。円満に話し合いができる場合は、夫婦間での話し合いがスムーズです。

調停

話し合いで決着がつかない場合や感情的になり冷静に話し合いができない場合には家庭裁判所の調停を利用します。
調停委員を介して話し合いをすることで、養育費を決めることができます。

訴訟

離婚調停が調停が不成立となる場合、通常は離婚訴訟を提起することになります。
その訴訟手続きの中で、最終的に裁判所が判断を下します。
また、離婚調停の中で、相手方と合意できれば、離婚自体は調停を成立させ、養育費についてだけ審判をしてもらうこともあります。

養育費の支払義務

養育費の支払義務は、親が子供に対して負う法的な義務です。

支払義務は、子供が成人するまで続きますが、具体的な期間や金額は両親間の合意や家庭裁判所の判断によって決定されます。

成人年齢の改正により、現在、成人年齢は18歳となりましたが、養育費の支払いは18歳までではなく、20歳までとされることが多いです。
また、子供が大学等に行く場合には、20歳までではなく、大学卒業までとされることも多いです。

支払義務が履行されない場合、法的手続きを通じて強制執行を行うことも可能です。
但し、養育費が支払われない場合に、直ちに強制執行するためには、口約束や当事者間で交わした合意書ではなく、公正証書や調停調書(裁判所が調停で合意した内容を記載して作成した書面)が必要となります。

養育費算定表の金額以上はもらえない?

養育費算定表の金額はあくまで目安であり、特別な事情がある場合は算定表の金額以上を請求することも可能です。

例えば、子供の医療費や教育費が通常よりも高額である場合、その分を加味して養育費を請求することができます。

養育費の増額・減額を請求できる?

養育費の増額・減額を請求するためには、以下の条件が必要です。

収入の変動

両親の収入に大きな変動があった場合・双方の収入に大幅な増減がある場合には、養育費の増額・減額を請求することができます。

特別な事情

医療費や教育費など、養育費を合意した当時と異なる事情により支出が発生した場合は、養育費の増額を請求する理由となります。

養育費が支払われない場合は?

養育費が支払われない場合は、以下の手続きを行うことができます。

督促

義務者に対して督促を行います。
支払いの遅れや未払いを確認したら、まずは督促を行います。

調停

家庭裁判所の調停を利用します。
話し合いで解決しない場合は、家庭裁判所の調停を利用します。

強制執行

裁判所の判決や調停調書に基づいて、強制執行を行います。
銀行口座や給与を差し押さえるなどの法的手続きを通じて、養育費を回収します。

養育費算定における注意点

養育費を算定する際には以下の点に注意する必要があります。

将来の変化

原則的には、現在の収入をもとに養育費を算定することになります。もっとも、近い将来収入の変動が具体的に想定されている場合や子供の進学等に伴う費用が具体的に見込まれる場合には、その事情も考慮します。

法的手続き

養育費の支払いが滞った場合の法的手続きを確認しておきます。養育費の支払いが滞った場合に、直ちに強制執行できるようにするためには、合意内容を厚生省にしておく、あるいは調停を申し立て、調停調書にしておく必要があります。

養育費の支払い方法

支払い方法を明確にし、銀行振込として振込先を明記するなど、支払方法を明確にします。

支払い証明

養育費を支払ったことを証明する書類として、振込の控えなどを保管しておきます。支払いの有無について将来のトラブルを避けるために、支払ったことがわかる証明書を保管しておきます。

まとめ

養育費は子供の健全な成長を支えるための重要な費用です。
適切な額を算定し、子供の生活水準を維持することができます。

養育費に関する詳細な相談や手続きを希望する場合は、当事務所までご連絡ください。

当事務所では、経験豊富な弁護士が親身になって対応いたします。

養育費に関する問題を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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